Yの読書感想文。

皆さんの読書の参考に。

夢をかなえるゾウ3/水野敬也

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【あらすじ】

主人公は平凡なOL。

彼氏はいないし、仕事もいまいち。

で、パワーストーンや占いに頼る。

そんな、彼女の元にガネーシャが現れたのだが、なぜかマッチョに。

マッチョガネーシャの教えはいつもよりスパルタ。

カーネルサンダースを白髪にさせたのも、ムンクを叫ばせたのもマッチョガネーシャらしい。

しかも、ブラックガネーシャは出てくるし、ガネーシャは小ゾウになるし、釈迦は役に立たないし、幸子さんは人間になってでてくるし。

彼女は成功できるのか。そして、恋の行方は。

 

【感想文】

シリーズ第三弾ですけど、今回の教えは「痛みを伴う」もの。

1作目、2作目の教えのバージョンアップです。

例えば

『人を褒める』→『自分と合わない人を褒める』とか、

『人にお願いをする』→『気まずいことをお願いする』とか。

これにもちゃんと理由があるんですよね。

もちろん、今までになかった教えも沢山ありますよ。

読むたび、頑張りなおそうと思わされます。

今回はどちらかというと、「商売」について特化した内容です。

もし、個人経営されている方やこれから起業を考えている方にはドンピシャだと思います。

ガネーシャだけじゃなくて、ブラックガネーシャの教えも意外と、マーケティングではよく言われていることですよね。知っておくだけで、余計な物を買わされなくて済みますよ。

 

でも、もしこのシリーズを「自己啓発本」として読もうと思っているなら、1作目だけでも十分かもしれません。

それだけ、1作目が濃いので。

ただ、単純に面白いんです。

お馴染みのキャラを見たくなるんですよね。

ガネーシャだけじゃなくて、釈迦に幸子さん(人間)。

特に幸子さんはツボです。

2作目まで読んで面白いと感じた方は、ぜひ読んでみてください。

さぁ、次は「4」を読もう。

 

【おすすめ度】

 

あと、水野さんの本で「雨の日も、晴れ男」ってあるんですけど

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この本もいいですよ。

夢をかなえるゾウとはまた違った視点で、前向きになれる本です!

死神の精度/伊坂幸太郎

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【あらすじ】

①CDショップに入り浸り②名字が町や市の名前で③受け答えが微妙にずれていて④素手で他人に触ろうとしない。そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。

一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。

クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。

 

【感想文】

死神の話の短編集。

 

伊坂幸太郎さんの作品は、やっぱりキャラがいいですよね。

 

本作の死神の千葉も、人間とは感覚がズレている感じが絶妙で、変だけどちょっと格好いい不思議な魅力があるんです。

 

映画では金城武さんが演じてました。

 

僕は小説を読みながら、千葉の声はなぜかサンドイッチマンの富澤さんで脳内再生されてました(笑)

 

調査して、結局は「可」、つまり「死」と決まっている仕事ぶりは、死神もお役所的な感じなんですかね??

 

短編一つづつが面白いのは当たり前なんですが、最後に物語が繋がってダブルで感動させてくれるあたりが、さすが伊坂幸太郎さん!です。

 

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一作目を読んだら、続編の『死神の浮力』もぶっ通しで読みたくなるなりますよ!

ちなみに、死神の浮力は一作目とは違って長編です。

 

【おすすめ度】

A

イニシエーション・ラブ/乾くるみ

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【あらすじ】

side-A

女性経験のない大学生・鈴木夕樹が、参加した初めての合コンで、歯科衛生士の成岡繭子に出会い、恋をする。夕樹は「たっくん」と呼ばれ、初めての彼女との初々しい恋愛が描かれている。
side-B

「たっくん」が、東京本社に派遣されることとなり、静岡と東京の遠距離恋愛をしながらも、東京で出会った石丸美弥子とも関係をもつようになり…。

 

【感想文】

色んなサイトで『どんでん返しがすごい』とか『2回読みたくなる』とか言われていて気になって読んでみました。

 

しばらくはずっと恋愛小説なんです。

 

それも、特に何が起こるわけでもない順調な恋愛で。

 

ところがですよ!最後の最後で衝撃です!どんでん返し度で言うと1番かも。

 

絶対にネタバレしてない状態で読んでください!

 

仕掛けがわかったときの驚きもスゴいんですけど、女性は表向きの姿だけじゃわからないなぁってちょっと怖くもなりました。

 

タイトルと表紙が女性向けっぽいですが、誰が読んでも、むしろ男性の方が衝撃度は強いかも。

 

【おすすめ度】

A

コンビニ人間/村田沙耶香

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【あらすじ】

古倉恵子、コンビニバイト歴18年。

彼氏なしの36歳。

日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる。

ある日婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて・・・。

第155回芥川賞受賞。

 

【感想文】

まさに「現代小説」です。

 

もしこの小説が10年早く世の中に出ていたら、共感できる人が少なくて埋もれていたような気がします。

 

コンビニ店員としてしか社会に加われない女性と、うまくいかない人生を全て周りのせいにして世の中に憎しみを抱く男性が『普通の人間という架空の生き物』を演じるための結婚生活。

 

会社勤めしている人ならこの2人ほど極端でなくても、大なり小なりその組織や集団での自分を演じている面があるんじゃないでしょうか。

 

今の自分は「普通に生きている」??「幸せ」??って考えさせられます。

 

文庫本だったら、150ページちょっとなんです。でも、3倍分厚い本を読んだときくらいの内容と深さがありました!

 

「読んで元気が出る」タイプの小説ではないですが、社会で頑張っている人に読んでほしいですね。

 

【おすすめ度】

B+

 

 

七回死んだ男/西澤保彦

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【あらすじ】

どうしても殺人が防げない!?

不思議な時間の「反復落とし穴」で、甦る度にまた殺されてしまう、老人。

「落とし穴」を唯一認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。

孤軍奮闘の末、少年が思い付いた解決策とは?

 

【感想文】

バタフライ・エフェクトっていう映画はご存じでしょうか?

 

まさにあんな感じです。

 

おじいちゃんが殺される→元に戻る→防ごうとする→でも、殺される→元に戻る→防ごうとする→やっぱり、殺される→元に戻る→防ごうとする→

 

僕が、読んだのは5年以上前なんですけど、内容をはっきり覚えてます!

 

結構、ミステリーのトリックを読みながら当てるのが得意なんですけど、当てれなかったんです。で、トリックがわかった瞬間が悔しくて…「あー、あそこかぁ!」みたいな。

 

あと、登場人物のキャラが今っぽくなくて、いかにもミステリー小説のキャラって感じなのも、小説読んでる感が出て僕は好きですね。

 

読書初心者にもおすすめです!

 

トリックは『あの場面』に詰まってるので、当ててみて下さい。

 

【おすすめ度】

A

ピンクとグレー/加藤シゲアキ

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【あらすじ】

大阪から横浜に越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。

性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。

やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。

同居も始めるが、真吾だけがスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲は決裂してしまう。

ステージという世界の魔法、幻想に魅入られた幼なじみの青年の愛と鮮やかに描いた、切ない青春小説。

 

【感想文】

僕、割りとタレントさんの小説が好きなんです。

 

特に芸人さんの小説とか自伝は読みやすいし、本になっても笑いの間とか上手くて、ハズレがないと思ってます。

 

でも、ピンクとグレーに関しては、正直侮ってました。

 

ジャニーズ?NEWS?まぁ読んでやろうか、みたいな。

 

加藤さん、ごめんなさい。ですね。

 

よかったです。

 

独特の空気がありました。

 

『有名人の華やかさの裏にある苦悩』、トップアイドルだからこそのリアリティなんでしょうね。

 

いやぁ、それにしても切ない!

 

2人には別の結末があってほしかった!というか、本当に些細なボタンの掛け違えで、もっといい道があったかもしれないのに…。

 

そんなに長くない本なんですが、読んだ後は1人分の人生を生きた感じがしてちょっと茫然となりました。

 

1作目がこれだけよかったら、加藤さんの他の本も読みたくなりますね!

 

もう10作以上あるけど、どれが面白いんだろうか??

 

【おすすめ度】

B+

 

夢をかなえるゾウ2/水野敬也

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【あらすじ】

「お金」と「幸せ」の関係、ごっついの教えたろか。

脱サラし、お笑い芸人になった西野勤。しかし才能がなく、8年間、売れることなくくすぶっている。
そんな彼の元にガネーシャが降臨! 「ワシとコンビ組もうや」。
ガネーシャとお笑いコンビを組んだ西野は果たして夢をかなえることができるのか?
貧乏神の金無幸子も加わり、「お金」と「幸せ」の真の関係が理解できる、シリーズ第2弾。

【感想文】

先日、1作目を読み直して続編も読んでみようと思っていたところ……書斎に『2』がありました。

 

…前に読んでました。

 

で、さっそくもう1度読んでみましたが、面白い!なんで忘れてたんかな??

 

1作目は「成功のための方法」について掘り下げていたのに対し、2作目はより「お金」にフォーカスした内容です。

 

貧乏神に釈迦、ポセイドンに死神まで出てきます。

 

なぜこの世界の神様はこんなに煩悩にまみれているのか(笑)

 

釈迦も死神の幸子さんもいいキャラしてます。釈迦はちょっとウザいけど。

 

「リアル・キング・オブ・ゴッド」、幸子さんとの漫才ならいい線いっていたと思いませんか?

 

で、肝心の内容ですが、万人受けというか、誰が見ても心に刺さるのは1作目かなと。

 

でも小説としてはどっちも同じくらい面白くて、読みやすさは2の方がサクサク読める。そして、後半にかけて急にいい話になってきます。

 

ちなにみ、ガネーシャは神様の中でも結構偉い方なんですね。

 

『さすガネーシャ

 

3作以降は見ていないので、近いうちに必ずみます。

 

【おすすめ度】