Yの読書感想文。

皆さんの読書の参考に。

言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか/ナイツ 塙宣之

【内容】

ナイツの塙さんが、本気で漫才論を語ります。

どうしてウケるのかだけを40年考えて続けてきた「笑い脳」に侵された男がたどり着いた現代漫才論は?

令和の漫才バイブル!

 

【感想文】

これは、やられました!!

漫才を論理的に分析するとここまで深くなるとは!

 

僕はお笑いが大好きで、M-1は全ての年を10回以上見ています。

なので、それなりに「このコンビはここがいい」とか「あのフレーズの間が悪かった」とか、素人レベルではお笑いのことがそこそこ分かる方だと思ってました。

けど、笑いがこんなにも奥が深いものだとは思ってもいませんでした。

 

塙さんは小さい時にウ○チを漏らしたことで自信を失ってしまい、周りから、からかわれるようになりました。

そんなときにテレビのお笑い番組が心の拠り所になり、テレビのネタからヒントを得て、学校でウ○チの歌を唄ったことで人気者になって以来、人を笑わせることだけを考えて生きてきたそうです。

 

そんな塙さんが考えていることが、もう格好よすぎて読む前と後で塙さんの見えかたが全く変わりました!

 

何がすごいって、先輩でも後輩でも、それぞれの良さ悪さ、なぜウケなかったか、M-1の審査など、遠慮なく本音をさらけ出しているんです。

これってかなり勇気のいる行為じゃないんですかね?

なんかお笑いについての覚悟と確固たる自信を感じました。

 

2019年の本なんですが、2019年のミルクボーイと2020年のマジカルラブリーは塙さんの目にどう映ったのか、めちゃくちゃ気になります。

お笑い好きな人は本当に見てほしい。

やっぱり芸人さんの本はいいですね。

ザ・殺し文句/川上徹也

 

【内容】

第1章 カリスマ経営者の殺し文句

第2章 プロ野球監督の殺し文句

第3章 政治家の殺し文句

第4章 なぜこのフレーズに瞬殺されるのか?(理論編)

第5章 この場面ではこのフレーズで打ち抜け(実践編)

の5章構成。

第1章~3章で見た偉人たちの殺し文句を、第4章で論理的に解説し、さらに第5章では、職場などの身近な場面で使えそうなフレーズが掲載されています。

『殺し文句の法則10カ条』は覚えておいて損はありません。

 

【感想文】

かっこいいですね、殺し文句。

本気の場面の本気の男たちの姿は痺れます。

高卒メジャーを目指していた大谷翔平に対して、日ハム入団を説得した栗山監督や、スティーブ・ジョブズの「それとも、世界をかえてみようと思わないか?」なんて、惚れますよね。

田中角栄の言葉は、この本の数ページだけでどれだけ大物だったか伝わります。

 

偉人たちの言葉から『10の法則』を導き出しての解説は、社会人なら絶対見た方がいいです。

心に響く一言を言うには、センスも必要かもしれませんが、それよりも「どんなポイントを押さえれば殺し文句になるのか知っておくこと」、「言うべきときにフレーズが出てくる準備」の方が大切だと思い知らされました。

あの、野村監督の名言の多くも古典や小説からの引用なんだそうです。

 

第5章で紹介されているフレーズは、読んで1秒でそのまま使えます。

途中までは「名言集」っぽい本でしたが、後半は超実践的ビジネス書でした。

 

殺し文句の法則を意識すれば、ちょっと気が利いたことも言えそうですし、もし実践しなくても偉人たちの言葉に触れるだけで、心が熱くなりますよ。

鈴木ごっこ/木下半太

【あらすじ】

「今日から、あなたたちは鈴木さんです。」

巨額の借金を抱えた男女4人が豪邸に集められた。

彼らの責務はここで1年間、家族として暮らすこと。

見知らぬ者同士が「家族ごっこ」に慣れてきたある日、貸主から次なる命令が下った。

失敗したら4人の命はない。

 

【感想文】

借金を理由にスキンヘッドの貸主に集められた4人。

色々ありながらも、だんだんと家族らしくなっていくんですが・・・。

200ページちょっとの本ですが、ラスト20ページは鳥肌がすごかった。

 

僕の『読書初心者におすすめのミステリー小説』で圧倒的№1です。

読みやすさ、鳥肌度、どんでん返し感、どれをとっても間違いありません!

ちょっとでも説明するとネタバレになんですが、「名前」にがっつり騙されました。

あー、あの感覚をもう1回味わいたい!

本が苦手だけど何か読んでみようかな、という方はぜひおススメです。

 

【おすすめ度】

A+

マンガでわかる!借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんが教えてくれた超うまくいく口ぐせ

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【あらすじ】

38歳、独身。

彼氏にフラれ、仕事もダメなヒロミ。

そんな彼女のもとに、『宇宙(白い奇妙な生物?)』が来た。

本当に借金2000万円から人生を逆転させた作者・コイケさんとコイケさんの『宇宙』とともに、ヒロミは人生を逆転させていきます。

コイケさんのドS宇宙にシゴかれながら。

 

【感想文】

『宇宙』??

と思いながらも、こんな面白そうなタイトルの本は読まずにいられません。

 

「宇宙の力を使って」とか「あなたの宇宙が」とか、最初は怪しい・・・と思いました。スピリチュアルな感じかと。

 

でも、言っていることはとても真っ当です。

 

『自分が思っていること、口に出すことは、自分が1番聞いている。だから、いい口ぐせを変えることで人生も変えられる。』そういう本です。

作者の小池浩さんは本当にアパレル経営で失敗して借金が2,000万円まで膨れ上がり、自己破産しかけた経験があり、そのときに言葉の力で潜在意識を変え、人生を逆転させたそうです。

僕は「口ぐせ変えるだけで人生が変わる」とは思っていません。でも、ずっと悲観的なことばかり言うよりは、ポジティブな言葉を使う人のほうがうまくいくのは間違いないと思っています。

ドSの宇宙が教えてくれるのは、「ありがとう」と言うとか、行動は必須とか、すごく当たり前のことなんですが、ちょっと切り口が違うので、なるほどなぁと思わせてくれます。

それに、なんせドS宇宙のキャラがいいし、ヒロミの宇宙がだんだん育っていくのも面白いです。

 

なーんかうまくいかない、と思ったときに読むと気持ちが楽になるような本でした。

ゴリラの冷や汗

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【あらすじ】

ウー太が森の中でみつけた秘密の場所に行くことになった、個性の違う4人。

でも、トラブルの連続。

4人はうまく乗り切れるのか。

 

【感想文】

面白いタイトルといい味の絵に惹かれて読んでみました。

作者は『Team GATHER Project』という大型類人猿(ゴリラとかチンパンジー)をヒントに発案した「類人猿分類学」を推奨するグループとのことです。

4種の類人猿の行動傾向を人間に当てはめて、社会に役立つ性格分類が作れるのではないか、という発想のもと、形となった性格分類が「類人猿分類」。

 

チー助(チンパンジー):ガキ大将で負けず嫌い。

ウー太(オランウータン):マイペースで1人が好きだが、冷静。

ゴリ平(ゴリラ):小心者だが、やさしい。

ボノちゃん(ボノボ):明るく天真爛漫。

の4人が秘密の場所に向かって探検に出かけます。

 

「個性が強い人とチームを組むと大変だけど、それぞれの強みを生かせば良いチームができる」的な話だと思うんですが・・・

ビジネス書と謳うには、ちょっと弱いかなぁ。

10分で読めてしまうし、もっと分類の解説も欲しい!

小学校の道徳の教科書にはちょうどいいかもしれませんが。

 

と思ってたら、

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大元はこっちだったんですね!

この本は色んなところで評判がよさそうです。

ミスったなぁ。

 

「ゴリラの冷や汗」は子どもの本棚に置いといて、次はこっちを読んでみます。

ふしぎな図書館/村上春樹

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【あらすじ】

ぼくが図書館に「オスマントルコ帝国の税金のあつめ方」の本を探しに行くと、「階段をおりて右。107号室」へ行くように言われる。

その先には地下牢のような部屋があり、ぼくはそこに閉じ込められてしまう。

1か月後、知識をためてとろとろになった脳みそをおじいさんに吸われてしまうらしい。

 

【感想文】

佐々木マキさんの挿絵でポップな感じですが、内容は意外とポップじゃないです。

 

図書館の地下迷宮、脳を食らう老人、羊男、黒い犬、謎の美少女、地下牢からの脱出。

 

可愛い絵のわりに終わり方も全然可愛くない(笑)

 

現実か虚構かあやふやな感覚。

 

これが村上ワールドなんでしょうか?

 

実は、村上春樹さんの本をこの1察しか読んだことがないんです。

 

なんとなくとっつきにくくて。

 

で、たまたま本屋で見かけて、この絵に誘われて読んでみました。

 

感想は、「不思議。」でした。

 

これは、ファンタジー?ホラー?なんなんでしょう??

 

本当に不思議な絵本です。

 

しかも、「図書館奇譚」というシリーズなんですね。

 

読んでみたい。でもなんで読みたいのかよくわからない。そんな本です。

 

村上春樹さんのメジャーなのも読んでみようかなぁ。

もしも虫と話せたら 『昆虫が教えてくれた生きづらい世の中を生き抜く自然の鉄則15』

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【内容】

職場の人間関係がうまくいかず、生き方に悩む太郎くんが、しゃべる昆虫たちと出会い、昆虫の生き様から、人間の世界でも通用する自然の鉄則、人生哲学を学んでいきます。

 

【感想文】

砂漠に住む「サハラサバクアリ」は地表の温度が56℃になると、エサ探しに行く。

理由は、この温度になると、他の昆虫や天敵のトカゲが生きていけないから。

そして、暑さで死んだ昆虫を食べるんだそうです。

つまり『つらい時は「逆に」チャンスなんじゃね?』ってこと。

でも、5分活動したら死んでしまうけど。

 

こんな感じに、昆虫が自分の生態から人生の教訓を教えてくれます。

 

他にも、「オオコノハムシ」は葉っぱに擬態しすぎて仲間からも本物の葉っぱだと思われてかじられてしまう。

とか、「ヘラクレスオオカブト」は実は飛ぶのがヘタで暑さに弱い。

みたいなことから、虫たちが教えてくれるんです。

 

で、これが太郎君と昆虫の会話形式で進むんですが、登場する虫(全部で15種類)が全員キャラが濃い。

しかも、いちいち昆虫ギャグを挟んでくる。

虫との掛け合いが面白いのと、色んな昆虫トリビアが面白すぎて200ページちょいの本ですが、一瞬で読めました。

あと、絵もいいです。優しいけど、会話とマッチしたギャグっぽさ。

「じゅえき太郎」さんというイラストレーターさんで、虫をモチーフにした作品を制作している方です。

この他にも虫関係の著書がたくさんあるので、そっちも見てみたくなりました。

 

内容も易しめで、虫好きの小学2年生の息子に絵本の読み聞かせの代わりに読んだら、いつもの絵本より面白がってました。

「意外な生態の昆虫図鑑」でありながら、大人から子供まで誰でも読める「自己啓発本」です。

隙間時間に読むと、ほっこりできていいと思います。

 

【こんな人におすすめ】

・  昆虫好き。

・  ゆるーく読書したい。

・  ちょっといい話を読みたい。

・  隙間時間に読みたい。